2020年7月9日、CanonからEOS R5とEOS R6が発表されました。 EOS R5は事前情報でも言われていたように、Canonのフルサイズミラーレスカメラのフラッグシップ機となる位置付け。 それに対して、EOS R6はEOS RとEOS R5の間に位置し、キヤノンのデジタル一眼レフカメラ6Dシリーズのミラーレス相当機です。手ごろな価格に設定されていて、多くの人が購入を検討するカメラになることでしょう。 値段はEOS R5がボディのみで約460000円(3899ドル)、EOS R6が約305000円(2499ドル)と発表されました。
EOS R5 vs EOS R6:価格とターゲット層
先ほども述べたとおり、値段はEOS R5がボディのみで約460000円(3899ドル)、EOS R6が305000円(2499ドル)。
この値段設定からもわかるとおり、R5はプロ向けに作られていることは明らかです。それに対して、R6は趣味で写真をとっている人もターゲットに含めた商品であると言えるでしょう。
ここから先の項目で徹底的にその性能や各機能の違いについて比較していきます。
EOS R5 vs EOS R6:センサーと解像度
EOS R5が4500万画素のセンサーを搭載しているのに対し、EOS R6はキヤノン1D X Mark IIIに搭載されている2010万画素のセンサーと非常によく似たチップを採用しています。
もちろん、どちらのセンサーも同じ大きさですが、それぞれに若干の違いがあります。 EOS R5は、高解像度センサーのこれまでのような制限を受けておらず、12fps/20fpsの機械的/電子シャッターで撮影可能。
キヤノンのカメラに対する「妥協をしない姿勢」が感じられます。
しかし、低解像度センサーにもいくつかの利点があります。 1つは、ワークフローの管理がしやすいという点。 R6は低解像度であるため、帯域幅の要求が少なく、R5よりも長時間の連続撮影が可能となっています。
EOS R5 vs EOS R6:低照度下でのパフォーマンス
解像感ではキヤノンEOS R5が優勢ですが、超低照度下での撮影ではEOS R6が理論的には優位です。
ISO感度はR5の100-51200(50-102400)に対し、R6は100-102400(50-204800)。 R6のISO感度の上限はR5よりも高く設定されており、同等の感度ではR6の方がより低ノイズで撮影することが可能である
と考えられます。
また、EOS R5が-6EVまでしかフォーカスできないのに対し、EOS R6は、EOSカメラとして初めて-6.5EVでのオートフォーカスが可能となりました。
R6がR5よりも低照度性能が優れているかどうかは、実際に撮影してみないとわからないですが、夕暮れ時や夜の暗闇の中での撮影が多い方は心に留めておく必要があります。
EOS R5 vs EOS R6:外観とハンドリング
EOS R6とR5はかなり似通ったデザイン。大きさはEOS R6の方が少し大きくなっており、高さと奥行きは同じですが、幅が約3mm広く作られています。
カードとバッテリーを入れて、R5は738gであるのに対し、R6は680gとかなり軽くなっています。 しかし、カメラ上部の撮影データ画面はなく、代わりにタッチスクリーンモニターで設定を確認する必要があります。
EOS R5 vs EOS R6: 電子ビューファインダー(EVF)
両カメラのEVFも0.5インチ(12.7mm)でフレームを100%カバーしていますが、解像度とリフレッシュレートに違いがあります。
EOS R6の解像度は60fpsで369万ドットなのに対し、R5の120fpsで576万ドット。R5の方が解像度が高く、フレームレートが速いので、光学ファインダーに近い、より有機的な映像体験ができます。
パナソニックのLUMIX S1に搭載されているものと非常によく似ていますが、R5のEVFを実際に試してみる必要があるでしょう。
EOS R5 vs EOS R6:動画撮影時の性能
センサーと解像度の違いに加えて、この2つのカメラのもう一つの大きな違いは、動画撮影機能です。
EOS R6は4Kは最大60fps、フルHDは最大120fpsで撮影可能で、また、Log撮影も可能です。 しかし、R5とは違い、Rawや8Kでの撮影ができません。
それに対し、EOS R5は劇的な進化を遂げています。8K Raw映像を内部に記録しながら、同時に4K ProRes映像を外部に取り込むことができるので、プロキシ編集や映像のバックアップに最適です。1D X Mark IIIと同じネットワークに接続することで、ニュースやスポーツの撮影でも、一カ所にファイルを送ることができます。
R5では、映像の露出レベルを示すZebraも使用されています。シネカメラと小型ミラーレス機の境界線を曖昧にし、大掛かりな撮影に最適なカメラとなっています。
EOS R5 vs EOS R6: インカメラ編集
キヤノンEOS R5で期待できる小さな機能の一つに、R5でしか使えないアップグレードされたDual Pixel Raw編集があります。
EOS R5では、「ポートレートリライティング」と呼ばれる新機能を使用してカメラ内で写真の微調整を行うことができます。 ポートレート撮影などで光が一方の側から強く来ている場合、その光源の方向を自由に移動させ、光が別の領域から来ているように見せることができます。
EOS R5 vs EOS R6:接続性
どちらもスマートデバイスとの接続にはBluetooth Low Energy接続を使用します。 しかし、R5は5Ghzと2.4Ghzの両方のWi-Fiにも接続できるのに対し、R6は2.4GHzしか使用できません。
R5はこの点でプロの傾向を反映して大幅に向上しています。 また、WFT-R10ワイヤレストランスミッターを追加することも可能で、2つのバッテリースロットとSFTPまたはギガビットイーサネットポートを介して送信する機能を備えています。
EOS R5 vs EOS R6:カードスロット
カードスロットにも大きな違いがあります。
R5は1つのSD UHS-IIと1つのCFexpressスロットを持っており、プロのカメラマンに照準を当てています。
EOS R6はプロよりも趣味の撮影者に向けられているので、2つのSD UHS-IIカードスロットを搭載。
この違いは、R6の2000万画素に対し、R5は4500万画素で静止画を撮影し、4Kオーバーサンプリングされた120fpsで8K Rawビデオ映像をキャプチャすることができ、R5はより高速な読み書き速度を必要とするためです。
EOS R5 vs EOS R6:バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間はR6の方が少し優れています。R5ではモニターで490枚、EVFで320枚の撮影が可能ですが、R6ではモニターで510枚、ファインダーで380枚の撮影が可能です。
また、バッテリーグリップ「BG-R10」を使用することで、バッテリーを交換せずに複数のバッテリーを使用したい場合にも対応できます。
まとめ
外観的には似ているこのカメラの違いをまとめてみると、それぞれが全く異なるカメラマンをターゲットにしていることがわかりました。
キヤノンEOS R6は、スポーツや結婚式のイベントフォトグラファーや、ビデオの一面も含めて写真を撮るのが趣味の人に向けた、やや静止画中心のフルサイズミラーレスカメラ。
2010万画素という解像度は、静止画にしては少し低いように感じるかもしれませんが、4K UHDビデオの性能と合わせれば、プロ仕様のマルチメディアコンテンツを快適に撮影できるカメラです。また、ワークフローの速さ、低光量性能、バースト撮影のスタミナなど、R5よりも優れている点も多いです。
一方、キヤノンEOS R5は、高精細な静止画や、それと同等の高精細な動画など、機材に多くのことを求めるプロをターゲットにしていることは明らか。45メガピクセルのセンサーと8Kの生映像は、特にC-Logを使用した場合、写真家、ビデオグラファー、映像作家の間の境界線を曖昧にしています。
続報を待ちましょう。